お沼地

鳩以上沼未満を掃きだめ

「フレッシュランチ」と「ランチパック」の話題

ー...フレッシュランチ?ー



前座の話題

 2月が始まった...ということは、ー日本が誇る例の奇祭のシーズンが訪れた...!ーということである。

 「例の奇祭」とは何ぞや?となる皆さんへ説明すると、日本最大手パンメーカーの山崎製パンが2月から展開するキャンペーン「ヤマザキ春のパンまつり」のことである。誰でも知ってる!そうだよね(と言いたいところだが、沖縄県のみ山崎製パンが直接の販路を有していないため、実質対象外エリアに近い。)

 今回の話題は、そんな山崎製パン....ではなく、山崎製パンとの繋がりが深い秋田県のローカルメーカー「たけや製パン」である。

ヤマザキ系ローカルメーカー

 山崎製パン系のローカルメーカーは複数社あるが、その中でも展開するエリアでのシェア率(独自研究?)が特に高いのは「工藤パン(青森)」・「たけや製パン(秋田)」・「イケダパン(鹿児島)」の3社である。

 そのうち、イケダパンは池田製菓の倒産後に山崎製パンの支援を受けて再建した経緯、そして山崎製パン連結子会社であることから、「ヤマザキグループ」という括りでホームページに記載されている。

 たけや製パン山崎製パン有価証券報告書事業系統図に社名が記されている。なお、工藤パン最新の有価証券報告書には社名が記されていないが業務提携関係である。ここから、3社と山崎製パンは、結びつきが強い順で「イケダパン>たけや製パン>工藤パン」という解釈が出来るだろう(独自研究?)

たけやとヤマザキ

 たけや製パンは、武藤家のファミリー企業。現在の社長である真人氏は2代目である。真人氏の父である初代・茂太郎氏が社長を務めていた頃は、山崎製パンが全国展開をする過程、特に1960年代に北上を進めていた段階であった。その状況下に茂太郎氏が、当時の山崎製パン社長である飯島藤十郎氏に業務提携を直談判するという手に出た。最終的にたけや製パンと山崎製パン1968年6月より業務提携関係となり、商品面や人材面、設備面での協力関係が生まれた。“黒船”にも飲み込まれず 5坪の店から始まった秋田のパン屋が90億円企業に成長した軌跡:地域経済の底力(1/5 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン より。)

 たけや製パンにはもちろん「アベックトースト」や「学生調理」、「コーヒー」など癖の強~いローカルブランドがある。しかし、「北海道チーズ蒸しケーキ」や「グルメソフト」など親会社の山崎製パン商品に似た商品もラインナップされている。これは両社の提携関係から類似した商品が販売されている。たけやブランド・ヤマザキブランドの商品双方をたけや製パンの工場で生産しており、これは併売されている。

フレッシュランチとは?

 これが「フレッシュランチ」である。隣の「ランチパック」とパッケージも中身のパンも瓜二つである。

 山崎製パンのランチパックは、各工場において企画開発がなされている。但しそのラインナップによっては、各工場の垣根を超えて複数の工場で生産される製品もある。

 なお、たけや製パンと工藤パンにおいては、山崎製パンから委託を受ける形でランチパックの生産を行っている。しかし、たけや・工藤の両社が企画開発した製品は、ランチパックではなく「たけや/工藤・フレッシュランチ」として生産・販売される。なお、フレッシュランチはたけやと工藤の販路を跨らない。(使用されるパン自体はヤマザキランチパックとたけやフレッシュランチで異なるのではないかと推察している。たけやのみ「ライ麦粉」などのルヴァン種使用製品に準じた原材料。)

 2011年3月の東日本大震災後に、ヤマザキグループ内で行われた生産品目調整の影響(たけや・工藤がヤマザキランチパックの受託製造を開始し、両社製造ロットが東北地方の山崎製パン販路に流通、たけや・工藤の販路でも流通を開始した。なお、山崎製パン仙台工場は震災の被害を受けていた。)を受け、一時期フレッシュランチのラインナップは消滅していたが、2012年頃から期間限定商品という名目で復活したフレッシュランチ復活! - 広く浅く (goo.ne.jp)

 それまで、たけやの販路ではヤマザキランチパックの入手はほぼ不可であり、購入できるのはたけやフレッシュランチのみ。

 ちなみに、2007~08年頃までフレッシュランチではなくたけやランチパックとして商品展開がされていたことが確認されている【たけや】塩バターキャラメル - ランチパック列伝! (hatenablog.com)

 ブランドのロゴマークもほぼそっくりである。フレッシュランチの方がやや角張り、突起が出ている。

 このやや角張ったフレッシュランチの字体は、2007年にヤマザキランチパックのパッケージがフルリニューアルする前迄、使われていた字体である。たけやフレッシュランチの場合、基本的にヤマザキランチパックのパッケージデザインに準拠するのだが、字体のみ一世代前を貫いている。工藤フレッシュランチにおいてもこのロゴは共通である(なお、工藤版のパッケージはイギリストーストに近いデザインで大きく異なる。)

 

 そしてJANコードである。たけや(上)の方がなんだか圧が強い?(超絶気のせい)。パッケージデザイン制作のソフトウェアでも違うのだろうか、パンメーカー各社によってJANコードの様式は微妙~~~~~~~~に異なる。(どうでもよい!)

 フレッシュランチを含めたたけや製パンの商品については、上記で引用した"広く浅く"という有志のブログにおいて詳しい情報を捉えることができる。(この手のブログは沼地の調達に非常~に役に立って有難い。)

まとめ

 ヤマザキのランチパックに準拠したフレッシュランチ。たけや製パンと工藤パンの2社から展開されている。但し、両社での販売頻度には大きく差があり、前者は期間限定ラインナップ、後者は通常ラインナップで両社が製造するヤマザキランチパックとの併売が行われている。

 是非現地を訪れてローカル感の強いたけやの製品を探してみよう!これは割と楽しい。~みなさまの旅行の友にパン探しのツアー、パンツアーを。~